いろんなおぼえがき

人に読んでもらうっていう努力が基本的にないです

舞台 Get Back!! 観劇

※感想とか物語の思考とか……こうだったのかな? っていう考えと妄想がごっちゃなので注意してください。
素人の主観です。あと、楽しかったー!のみの感想じゃありません。
といっても、ここってどういうことだったんだろう? っていう感じのことなので、面白くなかった!とかそういうのではないです。
とにかく思ったこと素直に書き留めておきます。


※全文打ってみて、 ここがこうだったらもっとよかったかなぁっていう感想じゃない話になってしまった。そんな感じです。

 


舞台「Get Back!! 」 
博品館劇場

 

前回のゴールデンレコードの感想で初主演作品て書いてたけど、 今回は単独の初主演作品です。
とにかく最初の感想は主演嬉しい!!につきますね!! ほんと嬉しい!!!💐💐💐💐
主演という立場が舞台上どう関わってくるかは正直舞台に詳しくないのでわからないところではあったんですが、ご本人の気合とか緊張とか感じ取ると、 見る方もしっかり観たいなあと思っていました。

Get Back!!、 当初ヒューマンラブコメディと銘打たれた作品ということで( 途中からヒューマンドラマになった?) どちらかといえばヒューマンの方にスポット当たってる感じのお話かと思ってたんですが、 結構コメディ要素が多い作品でとても観やすかったです。
父親とうまく行ってない、 生きてる意味なんてないと思っている薫が自分の生まれる前にタイムスリップ するお話。
大筋は脚本演出である小笠原さんもいう通り、王道なストーリー構成だなとは思いましたが、 笑いのテンポも良く、 あと何より役者さんたちの渾身の演技もとても良くて面白かったです。千穐楽みてから思ったけど、確かに初めてでこれだけのものを作ってくるのはすごいなあと驚く。
ただ、いくつかちょっとわからない点があって、その辺の感想? というか思考的なものも含めて感想書いてきます。
  


【本編のおぼえがき感想】 観劇日:22日 23日 28日 29日


 
全体を通して思ったところ。


全体的に一番気になってしまったのは、 薫が20になるまで父以外どこ行った?ってところ。

1回目観た時からなんか妙に気になってしまっていたんだけど、 2回目全体を通して見た時に、 あれだけ父母は周りの人から愛されていたのに、 なぜ薫が生まれてから育児に参加していなかったんだろうっていう 疑問でした。
薫が「おじいちゃん!?」って驚いていたところからすると、 薫は祖父母とか物心ついてから面識はなく、寅ちゃんとも、 竜司と間違えるくらいに似てるのに面識がない様子。 大人になった20年だったらそこまで顔が変わっていてわからない こともないと思うので、 そうなると父は孤独の中子育てをしていたのかと。

なんで夏織の写真を捨てたのか。
夏織の話や昔話を正直に息子にしなかったのか。
不器用だから、の一言なのかなぁ……と。

だとしてもあの祖父母は自分の娘の子だったらほっとかなさそうだし、 そもそも会ったことないのはちょっと違和感に感じてしまいました。
山田太郎として薫があの家庭に入った時間軸が違っていたとしたら、 ラストの終わり方が冒頭とは変わっていたようにも思えるし、 時間軸は同じものだとするならば、 あれだけ絆があったように思える家族親友が夏織が亡くなったあと疎遠になってるのなんだか不思議でした。

あと山田太郎の存在、あの後どうなったんだろう。

あの時間軸のままなら父は存在を覚えてるはずではあるけど、 流石に父は夏織が亡くなった以外のことはぬけてしまってもおかしくないのかな。 

それが気になっちゃって、 初見若干物語に入り込めなかったのが正直な感想でした。
そこをもうちょっと話として冒頭あたりもう少し長めにとってうま く織り込んでほしかったかも。


それと、それぞれの兄弟間や家族間、 どの話もドラマがあってとても素敵だったんだけど、こう、 尺が足りない!もったいない!感じ。
個人的には、もう少し出てくる人数を絞っても良かったんじゃないかなって思っています。
その分、薫はなぜあんな感じに育ってしまったのか、 父はなぜ一人で抱えてしまったのかとか、 薫と徹の話にスポットを当てて二人の話として進むのも良かったのかなーとか。
特に徹。 一人だけ夏織が死ぬかも知れないっていうのを知らされてなかった徹。結構かわいそうだぁと終わってみて思って。他のみんなは夏織最後になるかもしれないと覚悟を持って同じ時間を過ごせていたのに。一人だけ置いていかれてしまっていた感じが夏織がなくなるところで切なくなる。
もしかしてここでそれを知らされてなかったのが原因で家族から疎遠になった?

あの場で手をダメにしてたけど、 どう子育てしてたのかも気になる……。

裏の主人公は夏織さんだったんだろうなと思う分、 夏織と薫の話は本当に良かった分、 徹もラストに救う一文があったらよかったなぁと思いました。
徹も冒頭悲しい様子だったので、 夏織の言葉を際立たせることもできたのではないかとも。

 

ラストに関しては、まず一つ。

薫が龍司に対して、「あえてよかった」ってセリフがすごくよかった。

生まれてきてあえてよかったとも取れるし、あの場で最初殴られて俺死ぬのか?みたいになってから、その意味で生きていてまたあえてよかったとも取れて好きなシーンでした。

そのあとは、薫が夢を見つけたのはいいなって思うんだけど、 大工になりたいったいう夢を持った理由のところで、 父の背中を見てってわかる描写があったらよかったな〜
大工姿で仕事してる父かっこいいみたいな。 作ったのも犬小屋じゃなくて例えばベビーベッドとか。薫が自分が父にも愛されてるとかわかる風に組み立てられてたら良かったなって。それでいて、 ついでに犬小屋も作ったっていう落差があったらよかったなーとか 。
他にもあの家に関するものを作ってて、それを見てとか。
ここは別に辻褄が合わないとかではないんだけど、 だったらよかったなーって話です。

 

あと、ラスト手紙もなんて書いてあったんだろうと純粋に気になりました。

太郎のことをなんとなく察していた夏織が亡くなる直前に手紙を渡してたなら、締めに手紙を読むシーンがでてきたりしたんだろうか。

とりあえず重要そうに手紙を渡していたので気になりました。

 

 

それぞれの役について。


寅ちゃんとゆっこは個人的にとても好きでした。

夏織、徹、 寅ちゃん、ゆっこ。

ゆっこがカウンターで料理作ってるシーンの二人が好きでした。

この二人に関しては、過去夏織を取り合ってる中の話にゆっこの話があったら、 なぜ寅ちゃんはゆっこに惹かれてったのかわかってよかったかも。 ゆっこはいつからあの三人と友達だったのかがわからないんですけど、 でも寅ちゃんがお前は変わらないなみたいなこと言ってたから、 多分昔馴染みなはず?
夏織が徹と結婚するからゆっこに乗り換えたように見ようによっては見えてしまうかも……。そもそも最初からゆっこが好きだけど、 徹と張り合ってただけ、はないか……
キャラがとてもよかっただけに勿体無かったかなーという印象。

 


8浪さんの演技好きでした!!
ただ8浪さん、 8浪してたのがただサボってたようにだけ見えてしまったのはもったいない……私だけかな。 おちゃらけてる部分が際立っててすごくよかったんだけど、 最後に秋恵が頑張っている姿はかっこよかったと言われているところ、 観客的にはその頑張ってる姿が言葉としても出てきたところがないので、ただサボって浪人してただけにように思えてしまって…… そうなると親の金で暮らしてるし、 あんまりかっこいいの言葉に共感もできなかったのがちょっと残念です。

でも一番泣きそうになったのはここのシーンでした。 演技が良すぎる。
頑張ったら報われるのはいいけど、 親が倒れないと気付けないっていうのは本当に人間というやつは… って感じで好きです。このお話の趣旨に合ってたと思う。

ちなみに、友達に言われて気づいたけどすしざんまいは1999年の時点では無いネタでした。 1999年のネタで揃えてたらよかったかもしれない。

 

夏織の両親も演技がめちゃくちゃよかった!! どっちもチャーミング!
娘のことも大切だし幸せに暮らしてるのかよくわかった。
ただ娘が亡くなるかもしれないって聞いた時、 しかもそれを太郎から聞いたのに、 反応的にあんなものになるかなぁとちょっと考えてしまった。 というのも、 太郎に向けて、「何かできるなら手伝う」というセリフが入ったから。 自分の娘に何かしたいって気持ちは、言い出した本当か嘘かわからない孫のセリフで、手伝うになるのか…と。でも演技として、あの二人が娘二人を好きなんだなーっていうのはたくさん伝わりました。本当に両親よかった。とてもいい人たちだった。あと千穐楽のママ可愛すぎた。パパの手とってほしかった。笑

 

秋恵に関してはなんで歌を歌おうってオーディションうけてたかの エピソードが欲しかった。歌はめちゃくちゃうまかったです!あと可愛かった…!!
歌が好きの中にも、 あのお父さんと結構絡んでたし、「お父さんが褒めてくれたから歌手になろうと思った」等の一言あったらよかったな〜 そしたらここも父と娘の絆ができたのではないかと。
ちなみに、登場時は薫が自分の家にいたことに驚いていたので、 もっと薫と絡むのかと思っていました。 ここでラブコメ発生するのかと思ったら全然そんなことなかった。
秋恵が夢があってオーディション受けてることを薫に打ち明けると か、 そこで薫は「自分はなんのために生きてるかわからないから夢があるのが羨ましい」とか、 あったら、薫という人物があの仲間たちに囲まれて変わろうとしている部分が表されたかも。
タイムトリップ先の人間だからラブコメは冗談にしても、 そういうシーンとかあれば話が深まったかなぁと思いました 。


 

先生と柚月さんに関しては、どちらとも美しすぎた。それに尽きる。

これ本当に個人的に思ったことなんですが、先生と薫が話してるシーン。

薫が「俺じゃなくて夏織さんを助けて欲しい」っていうシーンがちょっと初見わかりづらくて、今でもこの解釈であってるのかな、っていう感じ。

なんだろう、うまくいえないけど、「仮に夏織をここで救って、太郎という存在がいなくなっても、どちらにしろ別の因果で夏織は死ぬことになるかもしれない」みたいな、もうちょっとバタフライ・エフェクト的な強いインパクトがあったほうがよかったかも。先生はどうして薫の話で夏織が死ぬと断定してしまったのかがわからなくて。

薫も、救えるかもしれない母に対してあの根拠のない説得で引き下がってしまったから、もうちょっと納得できる強い言葉が欲しかったなっていう印象でした。その方がその後の薫の生き方や感情にもっと関わってきた気がする。

先生のセリフがダメだったわけじゃないんだけど、「今をどう生きるか」の言葉にも、その方が繋がっていったんじゃないかなあっていう勝手な考えでした。

多分私以外はこれは納得してる気がする。

 


薫と将熙くんについては、 この役台本だけもらって1から感情を作っていくのは、 本当に大変だっただろうなって思いました。
ほんとに難しそうな役だった…… 現在では父親や自分自身にイライラしてたり、 なんとなく過ごしている様子から、 突然タイムスリップするっていう振り幅。 タイムトップしてすぐはわけがわからないといった感じの演技好きでした。戻った時、特に好きだった。
喜怒哀楽が本当にいいなぁと。声に特にでてるなぁと。 あと戸惑いながらも飲み会の歌やダンスの席にいる背中姿がとても好きでした。

薫自身は、本当に一生懸命生きていたイメージが強い。

舞台上でそれぞれの人生を傍観して、 生きる意味を探していた感じ。 そして生まれてくる自分という命と夏織に対して複雑な感情を持っている感じが好きでした。

初めてあった命懸けで産んでくれた母親に何かしたいという、最初で最後の親孝行。

育てれくれた記憶がない分、親子の絆とはまた違った感じの複雑な情景がよかったです。

だからこそもう少し焦点を当てて感情をもっと知りたかった!

前に出ている仲間たちを観ている姿で読むとかだけではもったいない気がして。

名前を決定するところは、 静かに泣いている感じは本当に息子でした。演出も良かった。
薫の今後がいい人生になったらなぁと、願うばかりです。

 

 

そのほかについて。

 

日替わり部分の導入は内容もすごく良かった。
役者さんの力がすごい。
繋げ方も良かったです。 そして28日の昼はゲストよりも主演のが面白いことしてて笑った 。笑

千秋楽も見た目のインパクトと中身の繊細さとかほんとうに笑った。
とにかくどの公演も楽しかったです!
 

 

 

 

いろいろ、ここがこうだったらなーとばーっと打ったけど、 でも面白かった!面白かったんだ!!!
本当に笑えるところはテンポが良くて面白くて。 役者さんたちがたくさん光ってた!特に千穐楽は、もう内容を完璧に知ってるのに、演者さんたちの演技に引っ張られて泣いてしまうっていう経験をしました。いい演技を見るってこういうことなんだなと、本当によかった。
ストーリーの辻褄の部分が個人的に惜しいなってところだけで、 ここのシーン入れたかったんだな、 削れなかったんだなっていう物語を作る難しさも感じられてある意味新鮮なものを見させてもらいました。憶測ですが、これ倍くらいの量の設定とかシーンがあったんじゃないかな。でもほんと、これが初めて作った作品なのかーって思うとスタンディングオベーションで拍手を贈りたくなる気持ちそのままあの場で体感できてよかったです。

だから脚本として、小笠原さんには今後に期待!! って感じの気持ちです。本当に!

 

ここまで読んでる人がいるかはわかりませんが、言いたい放題で気分害してたらすみません…。ほとんど感想という感想でもないかもしれない。

でも見たからには素直に思ったこと残しておきます。

次の作品も楽しみにしています!