いろんなおぼえがき

人に読んでもらうっていう努力が基本的にないです

とても親密な見知らぬ人 観劇

※あんまりあてにならないおぼえがきです。正解を考えたり語るのも野暮かなぁと思う部分もありつつ、せっかくなので思ったことを残しておきます。

主にここが好きだったとか、こう思いましたみたいな個人的感想です。出てくるセリフはだいたい曖昧です。役者の話と役の話はごっちゃです。誤字脱字はいつものことです。

  

 
舞台「とても親密な見知らぬ人 」 
シアターモリエール

 

 

ツイキャスで台本読んだら主演だった?みたいな話をされてびっくりしたけどW主演おめでとう!! な作品でした!

驚いた。2019年後半ほぼ主演。中央に立つ姿観れるのは何回だって嬉しいなぁと、素直にそう思ってしまうのがファンというものでしょうか。

観劇後は今まで将熙くんが出てこられたタイプの舞台とはちょっと違って、すごい素敵な作品だったなぁすごく思う。

これ毎回言ってない?ってくらいにいうけど、好きなタイプの作品。好きなもの多いんですよ私。幸せな人生ですね。

でもこれどこがどう好きだったの?と聞かれるとすごく言葉にするのが難しい作品。観劇後友達と話してて、波紋のように話が広がると言われてなるほどなーと思ったのを思い出しました。

そんな感じで、感想です。

  

 【本編のおぼえがき感想】 観劇日:27日 30日 12月1日

 

たまたま木曜日に半休を取らなきゃいけない憂鬱な用事ができてしまい、そしたら楽しい予定も入れたいというか早く観たい!!と当日券チャレンジで初日が木曜日となりました。

水曜日の本当の初日時点で観に行った方々の感想もよかったので、多分私これ好きだなと関心してたりして。これも毎回言ってる気がするけど、だいたい面白そうっていう直感はフライヤーのデザインとか、それこそあらすじの書き方とか、雰囲気でわかるようになりました。

あの日観に行って本当によかったし、もっとあの世界観を観に行きたかった。

 


全体を通して思ったところ。 

 

これ本当に説明が難しいんですけど、過去未来現在が入り乱れてる話が基本的に好きで、今回に関してはその境界線すらも結構曖昧というか、全体的にこれは全て「間坂二郎のながーい漫才でした」っていう落ちにもできるし、「事実」と「みんなで書き換えた漫才のような日常」を観ていたでも間違いじゃない気がする。

そもそもあの話は基本的には間坂二郎の脳内の話であって、ある意味全てが現実だったっていう解釈をしてます。

 

実際にあったこと。それを漫才として綴ったノート。そのノートに書き直された、付け加えられたエピソード。全てが間坂にとっては本当にあった事実になる。現実でおきたこと、実際にこうだったらよかったのにと思う書き足した人たちの暖かい思いと忘れられる辛さ、間坂の変わっていく世界への困惑と悲しい気持ちを、塗り替えられていくあったかい気持ちでいっぱいになっていくラストまで、どう言葉にしていいかわからない。

水野さんがパンフレットで「一つのシーンにいろんな感情を混ぜ込みたい」と書かれていたのが、本当にそうだったなと思います。

1シーンで多人数でていれば、それぞれの感情が違うこともあると思うんですけど、一人だったとしても、人の感情は1つの物事に対して複数の感情を持つこともあって。

嬉しいけど悲しい。楽しいけど辛い。幸せなのに不幸。憎いのに嫌いじゃない。なにか、そういった鏡合わせの感情がたくさんに散りばめられていたように感じます。

特に間坂父と間坂の関係性も。ピエロは理想=父親だったのも印象的で。

自分の越えるべき相手だと思っていた父親を、家族を笑わせられないで外では愛人とすごしている、基本的に嫌いなやつみたいな感情だったと思うんですけど、それと同時に憧れとか、こうだったらよかったのにっていう期待を持ってしまう立ち位置の人間だったからこそ、その人が期待に答えてくれぬまま、また、自分がそんな父親を見返すことすらできなく亡くなった?のは二郎にとっては永遠のトラウマになってしまったようにも思えて辛かったです。

実際、現実の世界として刺されたと電話を受けたシーンは「この頃が今思えば一番楽しかった」みたいなセリフをいっているから、時間軸的には回想シーンであってるのかな。あとここで「兄貴はどこにいったんだろう」っていうセリフから、なんか最終的に本当に兄はマグロ漁船に乗ってたのか?間坂自身が書いた長い漫才のネタか、もしくは誰かがどこかでノートを書き換えたネタだったんじゃないかとかも考えたりして。厨房担当っていうのもなんとなく面白そうかなとか。その後間坂が兄と会ってるシーンも、最後のほうに「兄貴?! 老けたな」のシーンしかないよね?あそこはやれなかった高校の時の漫才のシーンだと思うので、兄の存在は行方不明で、戻ってきたっていうことで誰かが書き直してあげた部分になるとすると、面白いなあとか。

ごめんここもしかしたら兄と間坂ほかに接触してたシーンあったかもしれないので曖昧です。

本当にいろんなことがごっちゃになってて考えるのが楽しいです。

 

あとは好きなシーンの話。

好きなシーンというとあれだけど、はじめから出していくとまず兄や母が消えて、なつが帰宅して間坂が混乱しているシーン。

一連全ての演技がすごくて、すごく印象に残りました。父の愛人だと思い込んだなつの存在と、なんではるが、っていう意識の混濁。間坂の中ではあの時の自分は高校生で、なつは忘れたけど自分の娘であるはるは覚えてるから、なんでこんなところに、でもそんなことより!ってなっているぐちゃぐちゃ感がすごくよかったです。実際混乱すると人ってありえないところにありえない人がいることよりも、現実におきてることを優先するのかもしれない。

襲いかかってるのに、すごく怯えてる感じは本当によかった。はるに突き飛ばされたところとかも。本当に困惑して怖がっているように見えた。そのあと、頭抱えて座る父に、「父さん、立って」って、はるが父の手をとるのは、その後鈴木を殺したっていう悪夢のような妄想に落ちた時の「父さん、夢だよ」っていうところの哀しそうに宥める姿にも繋がってて、なんだかすごく言葉にできないものがこみ上げました。手の握り方がね。人の体温で現実を思い出させてあげてる感じ。

その鈴木を殺したっていうシーンは襲いかかる演出も良かったけど、宮下さんが静かに泣いてるのにも泣いた。そっか、夢かって、大切な人を殺す悪夢は悲しすぎる。でも実際に決勝には行かなかった(行けなかった?)ことの後悔は悪夢で、鈴木や山田の存在も、多少なりともプレッシャーでもあり、間坂は本当に真面目な人間だったからこその苦しみ方をしていたんだなと思いました。俺のせいにするな、本当はずっと思ってたことなのかもしれない。

 

もう一つ好きなシーンは、間坂がはるに改めてプロポーズするシーン。何回見てもここも泣く。本当にここが一番耐えられない。

ここも間坂がなつの手をあまりにも愛しそうに撫でながら「俺の嫁さんこんなにかわいかったっけ」みたいなことを思っているのが、間坂は本当になつのことを好きだったろうし、それまでの流れもあって耐えられなくて……。

凄く幸せであろうシーンにどうしょうもない悲しみがあって、でも想いは本当にあったかいもので思い出しても泣いてしまう。たとえ「思い出すなら楽しい方がいい」と晋平のしたプロポーズを書いたものだったとしても、そのノートを読んでいる間坂の世界だったとしてもやっぱりあれはあの話の中での現実なんだろうなぁと。他の人の感情も込みで。その前のシーンで鈴木が泣きそうになって、これからお前らを傷つけてしまうっるわかってる間坂もね。でも優しい世界なんだよな……。

いやでもここの解釈がこれでいいのかはいまいち自信がないです。

とにかくすごくよかった。

 

シーンというか、全体的に漫才は本当に面白かった!さすがとしかいいようがないです。

それをやる俳優さんたちもすごい。完全に普通にコントを見ている感覚でした。川崎のエフペケ笑った。笑

 

あと印象的だったまるでうどんさん。

あれは、実際の準々決勝でもあったハプニングなんだろうか?でも結婚式場の方なんですよね。若い頃の話なのに現在(というのが正しいかわからないけど)間坂のビジュアルだったのは、むしろここもノートに書かれたものだったのかなぁとか。

というか最初は宮下さんのビジュアルの時と、将熙くんのビジュアルの時で時系列が分かれてるかと思ってたんですよね。

昔の話の方に現在の間坂で、今の話の方には将熙くんの方。で、将熙くんのほうの間坂が実際におきた話で、間坂がでてくるシーンはのちのノートの世界なのかと。あの白いゲートみたいなのも、最初は右に配置されていて、左に移って、そして「10年間の休憩です」(ここ、自分が犯罪を犯したと間坂が勘違いしてた部分と求刑も兼ねてる?)ってシーンから中央に移ったんですよね。それを考えると、中央になったシーンが丁度意識が入り乱れてる時だったとするなら、上の憶測があってる気もする。いやでも見てると本当によくわからなかったです。直感でそういうものだと理解した。

 

 

間坂二郎と将熙くんについて。 

 

2019年までの舞台を見ていて、役とか演技とか今までで一番好きだったのはゴールデンレコードの俊樹かなぁと思ってたんですけど、間坂の役良すぎた。

俊樹は、街のお兄ちゃん的な役なのが凄く好きで。今回の役ってそういえばはるもいるし一応父親役なんですよね。Get Back!!では息子役だったのに本当にいろんな役やってくれる(それ以前に妊婦の女子高生で産んでるので母親役までやってる役者なかなかいないのでは……)

間坂はW主演ということで、宮下さんと同じ役だったのも印象的でした。同じ役を同じ人が演じているのが1作品にでてるは以前に「男子はつらくないよ?」で見ていたけど、お互いに寄せてると思える動きや喋り方をするシーンがあったのは見ていて面白かったです。特に宮下さん、父が刺されたシーンを下着泥棒のシナリオに書き換えられた時の、高校生の時を演じてる感じの喋り方と動くとか本当に将熙くんぽかったです。

あとはわかりやすいところだとラストらへんの鏡合わせのシーン。あの辺の将熙くんの表情とか話し方好きだった。なかなか言葉に言い表せない。その後も結婚式の漫才のシーンも、二人揃ってるのはさすがでした。そしてシーンとしても面白かった。

 

間坂の好きなところというと難しいけど、今回の役で一つ好きなシーンにもあげたけど、怯えて混乱してる、出来事にではなく自身に驚いて感情がごっちゃになってるシーンが見れたのが凄くよかったです。本当に複雑なごちゃごちゃだった。記憶を探してる感じ。見たい演技が一つまた見れた気がする。忘れられない表情をしていて、かっこいいとかかわいいとか、今まで色々思うことはあったけど、今回は特にそういう意味で、印象に残る演技を見れたのが嬉しかったです。私が感じ取れた感情が深かったっていうのかな。それも凄く安定していた。とにかく間坂は、また観たい演技が見れて、もっと見たいと思わせてもらえました。

この役みたいな役をもう一回みたいとは、多分間坂でなければまた違うものになってしまいそうなので、それも難しい。とにかく、また好きが更新されました。

 

  そのほかについて。

他の役者さんも素晴らしすぎて語彙力なくなるよね。やっぱり特に思うのが、なつ役の原田さんと、鈴木役の福澤さん。そしてはる役の日向さん。

なつは全て素敵だった。芸人さんのお嫁さんだなぁと。ナチュラルに凄く演技が好きで、馴染みすぎてて。明るい感じも、苦しんでるのと二局がやっぱりしっかりでててとても好きでした。

福澤さんは閉店拒否以来でしたが、とりあえず将熙くん声かけてくださってありがとう…と私自身が凄く素敵な作品に出会えたのも嬉しく、ありがたい縁を結んでくださったなと感謝でした。そして久しぶりにみても凄く癒された笑 あと、カテコでお話ししてるの観てて思ったけど、福澤さんと宮下さんは、なんとなく雰囲気にてるなと思いました。好きな空気感でした。

日向さんはとにかく演技の力強さ、役っていうのもあるにはあるんだけど、そうじゃないパワーがあって凄く魅力的でした。好きなシーンにもあげてるけど、お父さんの手にぎるところね。優しくも可愛くも、生きてる力があって凄くよかったなぁって思います。しっかりとした娘だった。あととにかくやっぱり可愛かった。

個人的にはまるでうどんさんも好きでした。あと小田島さんたち!将熙くんかわいい花つけて結構しっかり踊ってるのが面白かった。笑

ゲストさんたちも面白くて、カテコで宣伝してくのもなんかよかったです。笑

 

 

現実は辛くて、苦しくて、でもこの世界はじんわりと暖かくて。悲しいけど、どうせ思い出すなら楽しい方がいい。人生笑ったもんがち。本当だったら落ち込んでしまうことも、間坂の周りには間坂が大切にしてきた人たちがいて、その分優しさが溜まっていて。美しく綴られた前向きな姿勢がこの作品は本当に素敵で好きでした。あとパンフレットとビジュアル、衣装、今回の作品はその辺もとくに好きでした。買ってあるので大切にします。

 

素敵な舞台をありがとうございました。まさかの人生、また会う日まで。