いろんなおぼえがき

人に読んでもらうっていう努力が基本的にないです

銭に向け叫ぶ2020 観劇

※主にここが好きだったとか、個人的感想です。出てくるセリフは曖昧です。好き勝手な思考とか結構入ります。役者の話と役の話はごっちゃです。誤字脱字はいつものことです。

 


銭に向け叫ぶ2020

@東京芸術劇場 シアターイース

 

7月ぶりの舞台!初のダブル主演やったホチキスさん!

発表されてから楽しみにしてた「ホチキス第42回本公演 銭に向け叫ぶ2020」観劇してきました。

ご時世的なもので秋口の公演不安だったんですが、感染症対策はもちろんありつつも、ようやく少しだけ元に戻ってきた雰囲気の中観劇できてよかったです。本当にありがたい。いろんな方が頑張ってくれてるお陰だなぁと思いつつの久々の観劇でした。

 

劇団ホチキスさん。

今ゴールデンレコードの時の感想読み返してるとこれもまた自分楽しそうだなぁとしみじみする感じ。そんな前回を知っているので今回も期待はしてたんですが、本当に期待通りの楽しさやギミックが盛り沢山。公演ごとに出てくる見え方や雰囲気の違いもやっぱり面白くて、今回も全公演通して本当に大好きな作品でした。

 

 

【本編のおぼえがき感想】 24日(初日)26日(配信)30日昼夜、3日昼、4日夜(千穐楽

 

 

内容は三つのお話が交差する系のやつ。

折り重なって系の話は例の如く大好きなんですけど、場面転換のタイミングとかが相変わらず好みでしかなかったです。テンポが呼吸に合うみたいで気持ちいい。いろんな話が交差すると上手く飲み込めなかったりもしそうな部分も、光や音、舞台の作りで本当に分かりやすい表現で切り替わるのがやっぱり好きした。

そしてなによりも出てくるキャラクター。いい意味で狂ってる人たちばかりで一回見たら忘れない印象を持てるのがすごく魅力的でした。あと悪い人がいないというか、今回はわかりやすく悪いことしてる人いるんですけど、ザリ神様キャラが良すぎて憎めない!(笑)こういうキャラクターも、嫌な気持ちにならずに楽しく見られるっていうのも、ホチキスさんの舞台自分の肌にあってると感じるところなのかもなぁと思います。

好きと言えばセットも!前回のゴールデンレコードの時のセットが未だに今まで見た舞台の中でダントツ好みではあったんですが、今回も「銭」「向」「叫」と三場面でわかりやすく分かれたセットがインパクトもあり面白く、なによりそれの使い方が好きでした。銭のそこ引き出しになってるんだ!とか、後ろ電話置くところあるんだとか。ザリ神様のところでは真ん中幕になってたり。「向」は口の部分が動いたり。叫ぶは口が扉でしたね。ぱっとみのインパクトもあって面白いしとっても良い。背景と地面も小銭風な円が照明にあたってカラフルになる演出も好きでした。

照明も、前回のMUSICAに引き続き阿部さんだ!と喜びました。今もうただのファンです。

一回目よりも今回は二回目引きで上の方から見た時に、光で交差する道ができてるのに感動したり、あと窓から光が入ってる感じの表現面白いなぁと、やっぱり光の表現良いなと感動してました。村と事務所とかでセットの文字に柄がはいるような光とか。きれいなスポットとか。それに合う音もやっぱりいい。BGMも最高。それが入るタイミングとかいれ方もどれもワクワクする場面で、特に物語が動いていく限りを音から感じられるのがとても好きでした。

オープニングもね!歌もダンスもワクワクして好き!全員で歌ってるのも楽しくて、耳に残るしCDが欲しくなる。客入れで過去作品の曲が流れてるのも全部いいなーと、ホチキスさんの他の作品も見たくなりました。

 

▽それぞれのキャラクターと場面

 

・「銭」チーム

安部ちゃんがかわいい!!足長いきれい!(とりあえず声を大にしていいたい感想)

派遣組やってるところとかも可愛かったです。きれいに揃ってる!笑

大吉と次郎公演重ねることに遊びが増えていてコントみたいになってるのにすごい笑いました。値踏み次郎も面白いキャラクター。なんで出てきたのかわからないけど、大吉そのうちこの手のキャラクターをアプリ使うたびに召喚できそうで面白い。笑

二郎に関してはキャラクター的にも他の二組とも何かしら絡んでるのも見たかったな〜。他の話にも自分の価値が絡んでくるので、社長を呼びにいく意外にも干渉できそう。小吉がスマホで大吉のファンを集める、籠本さんはスマホでその情報を見てるとかその辺が何か絡めらそうだなと見ていて思いました。良いキャラだけに。でもそうすると話さらに壮大になりそうだけど。笑

それぞれのコンビ感も素敵でした。安部ちゃんと大吉、大吉と次郎。そして社長夫婦、銀。

銀に関しては斎藤さんの勢い前作からも好きで、真剣に面白い演技をしているしそれをとにかくやり切ってるのがきれいで。動きのキレとかも。

銀も憎めないなぁ。糖尿病で痛風…千秋楽全入れ歯とか増えてたけど(笑)自分の立ち位置や価値を知っていて、頭がいいのがわかる。事務所を畳んだあとも地道にYouTubeとかやってるのかな?でも天狗になった分も含めて彼のキャラクターだとしたら、大吉との関係性も先輩後輩よりも友達として対等なものになるのかもしれないなと思いました。許せる大吉はすごいけど、銀が元々はいいやつだっていうのもわかっててこそなのかな。

あと銀の行動に関しては「誰もいない倉庫のバイト」っていうフラグを回収してたところが好きでした。なるほどなーって繋がった気づいて気持ちよかったです。

社長たちも狂ってる。笑 奥さんが社長大好きなのが節々から伝わってくるけど、社長は自分の趣味と仕事ばかりでって感じがね〜。あるあるなのかな。それでも自分を殺そうとしてもなお好きでいられるのはすごい。社長も奥さんのこと好きだし、悪い人じゃないのはすぐに救急車を呼ぼうとしていたのでわかりましたが、お騒がせ夫婦も素敵でした。 

シーンとして「銭」組で一番好きなのは、安部ちゃんが最後銭に向けて叫んでたところでした。上からの金の帯と音楽が流れてきて終わるのが綺麗で、なんだか気持ちがスカッとしました。物語がこれからも動いていく感じもするし面白かったー!ってすごい満足感で終われる。フラグ回収が綺麗で最高でした。

 

・「向」チーム

籠本さんのキャラクター強すぎて!!笑

でもこの文房具メーカー組もそれぞれめちゃくちゃキャラクター濃すぎて面白かったです。課長自分が無難とかそこそもみたいなことを言ってたけど感性的には無難でもそこそもでもない。というか会社自体が面白会社っぽくてどんな文房具だしてるのか気になりました。

籠本さん自体は本宮さんは自分のこと嫌ってるのわかってたり、あんたらどこまでついてくるんだって言ってたり、ちゃんと普通な部分も見えるけどキャラが強いのが面白い。借金の件はポップな表現になってるけど実は心配になるやつだよね。

本宮さんの感じも籠本さん嫌ってるのはあるんですけど、なんか憎めないし可愛く思えちゃう。 なんだかんだこの後普通に仲良くというか、何かあったら籠本さんにザリ神様のこと話しに言ったりとか、普通に自分の本性さらけ出せそうな感じもあったので、良い友達になりそうだなと思いました。

課長は籠本さんの案を面白いといえる感性があるなら自分も面白いもの作るようになりそうだなぁ。あの二人はくっついた感じが好き。「向」組の銭と価値の置き所が詰まってたなと、課長と籠本さんが自身の作った陶芸品を売り買いするっていうやりとりしてるところで思いました。

 

「叫」

将熙くんの役めちゃくちゃ見たかったやつだ…っていう感想から。

前回も相棒ものの片割れでやって欲しかった役ではあったけど、いろんな役見ててサイコパスっぽいのも見たいな〜って思ったら叶うんだなー!わーい!(IQ3の感想)

小吉も基本的頭いいしいい子なのがラストからも伝わってきて、サイコパスな部分との塩梅がというか、裏表の表現がすごい見れて素敵でした。あとOP歌声めちゃくちゃ綺麗。大吉と一緒にアイドルコンビ組んだら売れるよ!って思いながら毎公演みてました。笑 あとこの時点で何か作ってるのも出てるのもわかって好きでした。

小吉みたいな役すごい好きなんですが、将熙くん今までの役で真っ直ぐに誰かを幸せにするよって言ってるものなかった気がして、そういう演技を見れたのもよかったです。ブラバはすでに夫婦だったので。でも対象が兄の嫁であり、それを金で買おうをしてる。

正確には自分はまだ高校生で、兄には「誰の金で生活できている」と言われ続けた結果スレたというか。奏さんに多感な時期と面白めに嗜められてましたが、高校生(もしくは中学生)で両親が亡くなって、次男が自分たちを捨てて出て行ったっていう心情を考えると、才能を抜きにしたら理解できる状況ではあるなぁと、意外とこの話ではまともな方だったのかなと思ったりしました。

ただ、小吉は才能がありすぎた。なんだ工芸アイドルって。笑

大吉と籠本さんに手紙のシーンが後々あれは小吉だったんだっていうのがわかるの面白かったです。ドクロの面でクロスオーバーしたところとか表情がよかった!なんとなく途中から匂わせてたのは感じてたんですが、二回め以降ちゃんと見てると最初から携帯いじってたり伏線はってるのが回収されてるのも面白い。こういうのがあると物語として複数回見たくなるところも好き。

ラストストーリー動かしていくスピードと、池が燃えるっていう誤算の表情含めて素敵でした。奏への憧れとか子供らしい無邪気な表情と、兄の嫁を金で買おうっていう金を握り締めた部分との演技の差がすごく好きでした!

ただこれ書いてて思ったけど、小吉は最初金があれば暴力を振るわれている奏さんを連れて逃げられる!っていう思考で元々動いてそうだけど、中吉がザリ神教の信者だって知って自分への思いを聞いてから表現が「奏さんを買うお金」に変わった…?だとしたら小吉はあの時点でも追い詰められて精神的に狂っていってたのかな。大吉ファンにばらすところの「ごめんねぇ!」の迫力凄かったし。語彙力ない感想言えばものすごくゾクゾクしました。

結局ハレンチ夫婦として二人が帰ってきたわけだけど(笑)長男は荒れて嫁に暴力振るってるし次男は自分たちを捨ててくしっていう気持ち的にもその場面で救われてるのかなー。あと奏への好きはやっぱり優しくしてくれた人っていう憧れっぽいなぁと、あなたを買うつもりだったお金って兄と嫁を見送ってるところで思いました。そのために貯めたお金だからもう必要ないと大吉に送ってしまってるのもなんだか切ない。一応失恋ではあるし、大も中も価値という意味でいいところにおさまってるので、小吉幸せになってほしいなと強く思いました。最後遠く一人で見てるところも切ない。今度はちゃんと小吉として誰かのために生きてほしい。

中吉と奏さんのエピソードは可愛かったです!すらすら喋れるニョロ〜っていう中吉。笑 顔隠してるとっていうけど、仕事的にも後ろめたさがあったものがなくなった部分もあるのかな。奏さんも天然でドジな感じはあるけど信じるもの揺るがないのがいいですね。中吉が大切なものは自分も大切っていう感じ。価値の話でいえば、中吉が自分を見つけてくれたからっていうのがあるのかなー可愛かったです。奏さん。

ザリ神教サイドはもう最高でしたね!笑 ザーリガミガミガミ…!

将熙くんがツイートで山崎さんのこと、同じシーンでもアドリブじゃなく同じセリフで何度もしっかり笑えるっていうのを呟いていて、ザリ神様本当にそれだなぁって思ってました。

そもそもホチキスさんのお話自体、アドリブや日替わり要素がなくても毎日見てても絶対に違いが出てくる楽しい舞台だと思ってるんですが、ザリ神様セリフも大まかな動きも変わらないはずなのに何度見ても面白い。これは銀とか籠本さんもそうなんですけど、ホチキスさんの舞台すごいなと思う部分ですね。あと劇団員同士の掛け合いの場所生ぴったりすぎて、劇団の舞台って面白いなって思う所以でした。

話それだけどザリ神様。表情も動きも本当に面白いし憎めなさすぎる。

個人的に籠本さんと課長の陶芸のやりとりに挟まれてるところの表情が心底迷惑そうなのがかわいかわいそうで一番好きでした。そのあと本宮さんに打たれたところとかテンポ良すぎてあのシーンも好き。本宮さんも強い。笑

本当にわかんない!って謝ってたり、製薬会社から邪気が…って言われた時の嬉しそうな顔思い出すと笑えてきたり、ザリ神様は悪い集団なのに本当に面白かったです。

一つ社長の奥さん購入件を与えたミラクルザリ神様奇跡ット、仮死状態になる薬と拳銃はフラグ回収してたので、もうひとつGPSも絡めて欲しかった!ていうかなんでGPSが一番高いの!笑

その後のザリ神教と本宮さんがどうなったのかも気になります。捕まったんだろうな〜めちゃくちゃ顔歪めてしょんぼりしてるザリ神様みたいし、リベンジを果たすべく何度でも蘇りそう。笑 なんか健康サプリとかでネズミ高やりそう。笑

 

 

とりあえずこんなもんかな?初演とどれくらい雰囲気も違ったのか気になりました。

また見たくなるなーお金と価値と愛が交差する話。とにかく楽しかったです。そして値踏み次郎自分ならいくらになったかな〜と考えてみたり。

価値どれくらいなんだろうな〜誰か一人でも必要としてくれる人がいたらいいなと思うけど、どうだろう?あと価値で思い出したけど、安部ちゃんが1000万でしたって言ったところで、大吉が絶対生きようねー!って叫んでるところすきでした。今台本見てたらそこ「安部(何か言う)」になってて驚きました。最後、それかよー!台本面白い!

 

見れば見るたびにそれだけ好きになっていく、楽しい掛け替えのない舞台を、時間をありがとうございました!